日本最大のクラウドソーシングサービスであるランサーズを運営するランサーズ株式会社が今年の10月2日より開始したサービスであるLancers Top。
僕自身既に複数の案件紹介サービスに登録しているのですが、このLancers Topでは色々と面白そうな試みをしており、興味が湧いたため、登録して個人面談まで行ってきました。
今回は実際にLancers Topを利用してみての感想や他のフリーランスエージェントと比べたときの特色などについて紹介していこうと思います。
ランサーズとは?
ランサーズといえば言わずと知れたクラウドソーシングサービスの先駆けとも言えるサービスです。
エンジニアの募集はもちろん、デザインやライティングなど幅広い分野において顧客と個人を結び、フリーランスの柔軟な働き方を支えています。
Lancers Top(ランサーズトップ)とは?
Lancers Topとは上で説明したランサーズを運営するランサーズ株式会社が今年10月2日に開始したエンジニア向けの案件紹介サービスです。
ランサーズでもエンジニアの募集は行われているのですが、プログラミングやサーバー保守などは他の分野に比べて専門的で個人の技術による振れ幅が非常に強いため、発注側としてはある程度のリスクやコストを覚悟して募集しなければならなかったわけです。いわゆるマッチングにかかる労力が大きかった。
仕事を行う側としても、報酬の不払いや劣悪な労働環境などといったリスクを抱えながら慎重に仕事を選ぶ必要がありました。
で、そういった匿名性マッチングサイトのデメリットを取り払ったサービスがLancers Topというわけです。
Lancers Topの特徴
ではLancers Topというサービスがランサーズ、または他のエンジニア向け案件紹介サービスとどこが違うのかという点について説明していこうと思います。
手数料完全固定&公開
なんといっても案件紹介サービスとして一番の特徴はこの手数料の完全固定&公開という点です。
基本的に仕事紹介関連サービスというのは紹介料、いわゆる実際に顧客の払う金額から引かれる仲介料というものがかかります。
もちろんその紹介料は良質な案件を集めること、質のいいマッチングを実現するためにかかっているコストですので、ある程度の金額が引かれるのはしょうがないことです。
しかし大体の派遣やフリーランスエージェントではこの紹介料が伏せられているケースがほとんどです。こちらから自分の単価からどの程度が紹介料として差し引かれているかを知るすべがないということになります。
派遣などでは30〜40%を平気で持っていきますし、フリーランスエージェントでも場合によっては20〜30%取られることがあります。しかもその割合を把握できないというのは働く側としては結構イヤな話ですよね・・・。
そこでこのLancers Topの魅力的なのが、手数料は10%で完全固定と公開されているところです。
割合としてもフリーランスエージェントの中でもかなり良心的なものですし、何よりどの程度紹介料として報酬から引かれているかというのを知っておけるというのは非常に嬉しいポイントです。
ギークスジョブ、レバテックフリーランスなどといった大手のフリーランスエージェントにおいては場合によって10%を下回る仲介料で案件を獲得できる可能性もありますが、交渉や駆け引きを必要とせず、低マージンの契約が結べるという点では個人的にLnacers Topの強みと言えますね。
月50万円以上の単価保証制度
Lancers Topでは手数料も固定されている上、月50万円以上の報酬を保証しています。
ひとえにフリーランスエージェントと言っても、営業力やマージン率の設定によって手に入れることのできる報酬には振れ幅があります。税金の管理や諸々の手続きにかかるコストを考えると派遣の方が効率がいい、といった事態にもなりかねません。
そういった懸念を払拭してくれるのがこの単価保証制度です。Lancers Topでは通常のランサーズの事業から得られたコネクションを活用し、100%エンド直の案件のみを紹介しています。要するに客先との間に余計なコストがかからないわけです。
週2からフルタイムまで幅広い働き方
Lancers Topの紹介する案件の中には、ワークスタイルに合わせた柔軟な働き方を可能とする案件が豊富に揃っています。
一般的なエンジニア向け案件紹介サービスって、まだまだ週5前提の案件がほとんどです。日本企業のほとんどは雇用するエンジニアにはフルタイムで現場に出向いて欲しがっているわけですね。
僕としては週5で1つの技術にのみ触り続けるのは、キャリア蓄積のためにあまり効率が良くないと考えているため、時短案件を取り揃えているというのはかなりそそられるところ。
流石自由な働き方を支援する事業が前身となっているサービスですね。
安心して働くことができるクライアント審査制
ランサーズなどのクラウドソーシングサービスを利用して働こうとしたときに、大きな障壁となるのが顧客企業の不透明さです。
多くの企業が仕事を発注しているということで、給料の未払い、支払い遅れや劣悪で過酷な労働を強いられるなどといったリスクも0ではないわけです。
その点Lancers Topは案件を掲載する企業に対してしっかりとした審査を行なっています。信頼のおけるクライアントのみが揃っているという点は後ろ盾のないフリーランスとしては非常に頼もしいですね。
スキルテストを使用したマッチング
ここまで説明したLancers Topの強みを実現している要因の一つがこのスキルテストを用いたマッチングです。
自身が経験した言語や技術について用意されたテストをWebから回答することで、自分が持っているスキルや経験をアピールすることができます。
このスキルテストの結果を以って企業にアプローチをかけることによって、企業側から「依頼したい」と思わせることで、エンジニアにとって恩恵の大きい形で案件を紹介することができるというわけです。
テスト自体は基礎的なものであれば、1つ10分程度のものがほとんどですが、応用的なものであれば60分以上必要とするものもあります。これは一見手間がかかりデメリットのようにも思えますが、経歴書以上にエンジニアとしての実力を企業にアピールすることができるという点から割のいい投資であると言えるでしょう。
登録から就業まで
基本的には大体の派遣やエージェントサービスと変わらない流れとなります。
大きく異なるのが先ほど紹介したスキルテストと経歴書による審査があるという点ですね。
スキルテスト・経歴書による審査について
就業までの流れの中で異色を放っているこの審査制度。
来るもの拒まずが一般的な案件紹介サービスが多い中、Lancers Topでは審査に合格したエンジニアのみに案件を紹介するスタンスを取っています。
僕は運よくこれらの審査に合格して面談までを経験することができましたが、おそらくプログラミング初心者の方や汎用的な知識を持っていない場合、もしかしたら案件紹介まで辿り着けないケースがあるかも知れません。
こればっかりは安定した技術提供を顧客へのアピールポイントとしているため致し方ない点であると言えるでしょう。気合を入れて受講しましょう。
まとめ:これからどのように発展していくか楽しみなサービス
プログラミングの教育事業が人材紹介に手を伸ばしてきたり、逆に人材紹介が教育カリキュラムを開始したりとなかなかにカオスなエンジニアを取り巻く環境ですが、また面白いサービスが登場したなという印象です。
スキルテストや書類審査といった試みによって、これまでのエージェントとは異なり案件ではなくエンジニア個人にスポットを当てていくというチャレンジがどのように僕らエンジニアの働き方を変えてくれるのか非常に楽しみです