どうも、フリーランスエンジニアのてぃすです。
今日は近年需要が増してきているGo言語。現役エンジニア・エンジニアを目指して勉強中の方の中でも気になっている人は多いでしょう。
そこで今日はGo言語を用いてWebサービスを作る際にチェックしておくべきことをまとめて見ようと思います。
なぜGo言語なのか
先にも申した通り、現在Go言語の需要は急増しています。
- シンプルでありがながら強力な言語仕様
- Googleが作ったという安心感
- 実行速度が速い
などの理由から、新規プロダクトに採用する企業がどんどん増えてきています。
また俗な話をすると、
- 比較的新しい言語であるため、人材が不足している
- 資金に余裕のある企業が導入するケースが多い
という理由から高単価・高収入を狙いやすい言語と言えます。
Go言語でWeb開発
そんなGo言語ですが、WebエンジニアからするとRubyにおけるRuby on Rails、PHPにおけるLaravelのような「Go言語でWeb開発といった◯◯」といった立ち位置のWebフレームワークが存在しないため、少しとっつきにくい印象を受けるかもしれません。
そこで今回の記事では、Go言語でWebサービスを作る際の基本的な流れ、人気のフレームワーク、検討するべきこと、について解説していきます。
主にWeb開発経験者の読者を想定して書いていきますが、初心者の方でも雰囲気をつかめるよう丁寧に解説していければと思います。
前提
Go言語のバージョンは記事公開時最新の1.12を利用する前提で説明していきます。
またこの記事はGo言語でWeb開発を行うさいに「何を調べればいいか分からない」を解消することを目的に書いていきます。フレームワークの詳細やGo言語自体の開発手法については別記事を参照いただくことをオススメします。
開発環境
まず開発の基盤となる環境についてお話していきます。
ディレクトリ構成
少し前までGo言語はGOPATHという環境変数に設定したパス配下で開発を行う必要がありましたが、1.11以降はModulesという機能が提供されたため任意のディレクトリで開発を行うことが可能となりました。
そのため、まず開発を始める際は好きなディレクトリを作成後、Modulesの初期化コマンドを実行します。
~/workspace > mkdir go-web [master] ~/workspace > cd go-web [master] ~/workspace/go-web > go mod init go-web
以降はこのディレクトリ配下にファイルを作成し、開発を進めていく形になります。
実際に配置するディレクトリ構成については厳密な決まりがあるわけではありませんが、以下のリポジトリなどにおいて推奨されている構成は存在しています。
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GitHub - golang-standards/project-layout: Standard Go Project Layout
Standard Go Project Layout. Contribute to golang-standards/project-layout development by creating an ...
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とはいえやはり厳密に決められているわけではないので、ライブラリの推奨構成・exampleに従ったり、ソース設計に応じて柔軟に配置していく形でも問題はありません。
ライブリロード
開発を行う中で是非とも欲しいのがライブリロード機能。これがないとコード変更するたびにサーバーの再起動が必要となり、開発効率が下がってしまいます。
Go言語にはいくつかライブリロード機能を提供してくれるライブラリが存在しますが、僕がオススメするのはrealizeというライブラリ。
機能豊富でありながら、ライブリロードをしたいだけならシンプルに動かすことができるので使いやすいです。
日本語の解説記事は以下のページが丁寧に説明されているので参考になるかと思います。
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[Go] Realizeが便利なので、もう少し仲良くなってみる - Qiita
続きを見る
Webフレームワーク・ライブラリ
Go言語にはnet/httpという標準パッケージが用意されており、このパッケージを使うだけでも比較的シンプルにhttpサーバーを立ち上げることができます。
ただGo言語を始めたばかりだったり、Web開発に関する知見が少ない状態でnet/httpを使って開発を行うのは少ししんどいかもしれません。
そこで僕は最初のうちは人気と実績のあるフレームワークまたはライブラリを利用することをオススメします。
gin-gonic/gin
GitHubのスター数も多く、企業で採用されている話もよく聞くのがhttp周辺の便利な機能を揃えたgin-gonic/ginです。
ルーティング周りもシンプルに記載することができ、速度も速いことから高い人気を誇ります。
ドキュメントの解説も丁寧ですので、迷ったらこちらを選んでおくといいでしょう。
astaxie/beego
astaxie/beegoも有力な選択肢に入ります。
ginがhttpアクセス周りの実装のみをサポートするのに対し、beegoはCLIツールやORMまでを備えたいわゆるフルスタックフレームワークに近いWebフレームワークです。
もし以降で説明するようなDBへのアクセス手段などといったWeb開発に必要な基本機能を選定するのが億劫な場合や、まずはGo言語でWeb開発を行う際の雰囲気を掴みたいという場合、選択してもいいでしょう。
以下の記事が日本語でよくまとまっているので、気になった方は目を通してみることをオススメいたします。
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Go言語のWebフレームワークBeegoを使って良かったこと - Qiita
続きを見る
RDB連携・ORMなど
Webサービスを開発するとなると、必ずといっていいほど必要となってくるデータベース接続。
httpと同様にGo言語では標準でdatabase/sqlというパッケージが提供されており、こちらを使うことでクエリを発行し、データベースからデータを取得してくることが可能です。
しかしこのパッケージだとデータを取得して構造体と紐付けるのが手間だったりするため、基本的にはより高機能なライブラリを導入するケースが多いです。
先に紹介したbeegoのようなORMが内蔵されているフレームワークであれば、そのORMを利用すればいいですが、そうでない場合ライブラリの利用を検討することになります。
そこでここでは実際に企業でも採用されており、人気のあるライブラリを紹介します。
jinzhu/gorm
RubyにおけるActive RecordやLaravelに内蔵されているEloquentなどに慣れ親しんでいる人にオススメなのが、jinzhu/gormというORMライブラリ。
マイグレーション機能も有しており、ドキュメントも充実していることから強い人気を誇っています。
参照・更新ともにプログラマブルに実装することが可能で、1対多などのリレーションについてもいい具合に構造体にマッピングしてくれるので、サクサク開発を進めることが可能です。
jmoiron/sqlx
RDBを操作するときはSQLをガリガリ書いていきたい、という人にオススメなのがjmoiron/sqlxというdatabase/sqlパッケージを拡張する形で実装されたライブラリです。
基本的な使い方はdatabase/sqlパッケージに近いのですが、構造体への紐付けやトランザクション、クエリ発行の柔軟性という点でかなり便利に拡張されています。
特にORMだと躓くことが予想されるような複雑なデータ構造を扱う場合や、SQLに関する知識に自身のある人はこちらを使ってみるのもありでしょう。
View周りの実装
Webサービスを開発する場合、多くがユーザーに表示するための画面を用意することになります。
Go言語を利用してWeb開発を行う場合、WebAPIの形で実装を行い、フロントエンドはReact/Vueなどを使って描画するケースが多く見られます。
標準パッケージのtext/templateや他のテンプレートエンジンを利用してサーバー側でのレンダリングももちろんできますが、そういった実装を求められる場合はRailsやLaravelなどが選定されることが多いのでここでは説明を割愛させていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。Go言語でWeb開発を始めたい場合に知っておくべきポイントについて紹介しました。
この記事で少しでもGo言語を使ったWeb開発を初める人が増えれば嬉しく思います。
閲覧いただき、ありがとうございました。