このブログで度々登場する単語であるフリーランスエージェント。
これまで正社員として企業に所属してきたエンジニアにとっては馴染みのない単語だと思います。
- なんとなく案件を紹介してくれるサービスだろう。
- 食べログの飲食店が案件に変わったようなものだろう。
- 派遣の意識高い系なのだろう。
くらいの印象の方もいらっしゃるかも知れません。
そこで今回はエンジニアにとって、フリーランスエージェントとは何者なのか、利用することによってどんなメリットがあるのかについて説明していこうと思います。
理屈はいいからどのエージェントを使えばいいか教えろ!というせっかちな人は以下の記事を読んでみてください。
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【厳選】現役フリーエンジニアが勧めるフリーランスエージェント2選
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フリーランスエージェントとは?
フリーランスエージェントとは平たく言えば、案件・求人の紹介、各種事務手続きを代行してくれるフリーランス向けのサポートサービスです。
その中でも特にエンジニア向けのフリーランスエージェントは常駐案件を中心に紹介して、企業とのパイプを担ってくれるサービスが多いです。
一見派遣会社と変わらない制度であるように見えるかも知れませんが、その会社に雇用されるわけではなく、個人事業主に対するサポートサービスとして位置付けられております。
選ばれる側のサービスという位置づけですので、フリーランスエージェントを運営している各社は様々な工夫でフリーエンジニアの生活とキャリアを充実させるための様々な工夫を行なっています。
そしてそれらの紹介料・手数料を収入源として運営されています。
フリーランスエージェントを使わない場合
紹介料・手数料を払いたくないし、個人事業主なら直接企業と契約した方がよくない?と思う方もいるかも知れません。
そう言った方に向け、僕の経験談も交えながら、エンジニアがフリーランスエージェントを使わずに仕事を探して、継続的に収入を得る際に必要なプロセスについて説明して行きましょう。
基本的には業務委託契約を結ぶ形のフリーランスエンジニアという立場での例となります。
参加する案件を探す
まずは自分のスキルが活用できる企業・プロジェクトをネットに掲載されている情報や知り合いのツテなどを用いて探す必要があります。
いくら情報収集ツールが進歩したとは言え、プログラミング言語やフレームワーク、業種、報酬を考えた上で、自分の要望にマッチする案件を探すのはなかなか骨の折れる作業です。
しかも面接の結果、掲載されていた内容と業務内容が異なるというケースも発生しないとは限りません。
実際に企業にアプローチをかける
もし自分の条件に合いそうな案件を見つけたら、現在進行形で人員を募集しているか、自分の経歴が相手の要望に合うかを確認するためのアプローチが必要となります。
メールや電話を使って、リアルタイムの相手の状況を把握し、ここまで来てようやく面接・商談の日取りを決めるまでに至ります。
数回の面接・商談
スキルを活かせる案件を見つけ、相手も自分の知識・経験を求めていることが分かったら実際に対話ベースの面談を行います。
企業によりますが、場合によっては現場で働くエンジニア、人事、代表と言ったように3回以上の現地訪問が必要となるケースもあります。
現在の業務が忙しくて時間が取れない場合などはこの段階でかなり消耗してしまうことも多いです。訪問したからと言って確実に契約を結べるとも限らないわけですし。
単価・契約期間等の交渉
面談において相手からオファーをもらえるであろう評価を得た後、自分の労働の結果得ることのできる報酬を決める段階が訪れます。
後ろ盾も何もない状態で自分に支払われる単価を決めるには、自分の市場価値と相手の用意している予算などを分析・予想した上で、自分が目標とする額を引き出す必要があります。
契約内容の査収・契約の締結
単価が決まって契約締結の段階に進んでもまだ油断はできません。
基本的には相手企業の用意した契約書に署名するというフローで契約が進められるわけですが、この時に自分に不利すぎる契約条件を提示される可能性もゼロではありません。
ちょっとした見落としがあったせいで、不条理な責任の取らされ方や、報酬の未払いの発生も、僕自身の経験ではありませんが、よく耳にする話です。
もしここで契約相手と衝突があって話がパーになった場合、これまでの煩雑な手間を繰り返さなければならない、という心理的負担もかかってきます。
個人相手であることの立場の弱さ
無事契約を結び、業務を開始したあとも仕事内容だけに集中する、というわけには行きません。
こちらも僕自身が経験した話ではありませんが、企業都合であれば参加プロジェクトの人員削減、自身の都合であれば傷病の重なりなどが発生した際に個人契約であれば躊躇なく契約終了や報酬の減額等が発生します。
そうなると業務をこなしながら急ぎで次の仕事を見つけなければならない、という辛いフリーランスの象徴のような状況に叩き落されることになります。
特に契約更新のタイミングが満了日に近い場合はことさら大変でしょう。
事務処理関連の手間
フリーランスエンジニアとして活動するということは、つまり税金や保険、年金などの計算・手続きなども自分で行う必要が出てきます。
これらの事務手続きはフリーランスエージェントを使えば完全になくなるわけではありませんが、キツイのは相談先や情報収集元を見つけるのが難しいという点。
いくら書籍やネット上の情報が充実したとはいえ、不慣れな手続きを実際に経験した人に相談できずに進めていくというのはなかなかに忍耐が要ります。
フリーランスエージェントを使うことのメリット
上で書いた内容を苦もなく、低コストでこなせる自信があるのであれば、フリーランスエージェントを使う必要はありません。
逆にこんなめんどくさい手間はかけたくない、エンジニアリングに集中したいという方はこれから話内容を読んだ上でフリーランスエージェントの利用を検討してみることをオススメいたします。
ではこれらの茨の道をフリーランスエージェントを使うことでどの程度マイルドにすることができるのか、についてをご紹介していきましょう。
案件を探す手間が大幅に下がる
フリーランスエージェントでは自分のスキル・要望にマッチした案件を継続的に紹介してくれます。
担当の営業やコンサルタントとの個人面談において、
- どのような業務経歴か
- どのような案件に興味を持っているか
- どのようなキャリアプランを考えて要るか
などをじっくりとヒアリングしてくれた上で、多くのエンジニアに仕事を紹介してきた豊富なノウハウを持って案件を紹介してくれます。
紹介された案件は必ず受けなければいけないという訳ではなく、エージェント側も提案という形で紹介してくれているので、詳細を見たり、面談を受けて見て自分の希望に合わない場合はお断りしても全く問題ありません。
紹介もメールで提案受けることもできますし、Webに掲載している案件から希望を出すのでもOKなところがほとんどですので、自分にあった形で案件を見つけることができます。
個人的にレバテックフリーランスのLINEを使った案件提案・やり取りがすごいやりやすかったですね。
面談のセッティングを柔軟かつ簡潔に行ってくれる
個人だといちいちメールのやり取りを繰り返してセッティングする必要がある面談についても、エージェントがよしなにやってくれます。
こちらから空いている日程を提示することもありますし、企業側の提示する日程で面談可能か、という形で質問されることもありますが、基本的には最短のやり取りで日程調整が可能です。
更には基本的にフリーランスエージェントは面談の回数が個人で申し込んだ時と比べて少なくなります。
僕はこれまでフリーランスエージェントを通した面談は全て1回のみで結果がでていました。
個人だとアプローチが難しい案件にも参加できる
まず個人だと相手にされることすら難しいような大企業の案件に参加することもエージェントを通すことで候補に入れることが可能です。
いくらエンジニアの雇用の形が柔軟になったとはいえ、やはり大企業やメガベンチャーが絡んでくると個人での案件獲得には限界があります。
そこでエージェントを通して企業対企業の構図を持って参加する余地を得ることができる訳です。
また大企業でなくとも、事情により公共のネット上に公開できない案件についても紹介を受け、参加することが可能となります。
そういった個人では手が届かない場所に自分の望む環境が存在する可能性もありますので、決して無視できないメリットであると言えるでしょう。
価格交渉の苦労が少ない
フリーランスエージェントを利用する場合、単価は基本的にこちらの最低ラインを伝えた上で提案してもらう形となります。
手数料、いわゆるマージン率を公開するエージェント、公開しないエージェントがいますが、いずれにしろこちらの希望ベースで案件を探してくれるので、難しい市場価格の調査やスリリングな交渉を要しないのはメリットであると言えるのはないでしょうか。
よっぽど交渉力があって、少しの損もしたくないという人以外はこの辺のプロセスはプロにお任せする方が無駄がありません。
めんどくさい契約周りを代行してくれる
個人が企業と業務委託契約を結ぶ際に必ず登場するのが契約書。
トラブル発生時の責任、給与支払い、契約期間などなど、普段から契約書を見てクラクラする僕のようなタイプの人には辛いイベントです。
そういった契約周りもフリーランスエージェントによってサポートしてもらうことが可能です。もちろん最終的には自分が契約を締結することにはなりますが、企業という後ろ盾を得た上でフェアな契約を担保してもらうことができます。
継続的に案件を紹介してもらえる
個人事業主がもっとも恐れるのは仕事が途切れてしまうこと。正社員であれば何もしなくとも仕事は勝手に割り振られますが、フリーランスであればそうもいきません。
かといって契約更新のたびに自分で案件を探すのは体力的にも時間的にも厳しいですし、本業が疎かになる可能性もあります。
エージェントに登録しており、希望しておけば契約更新が近くなったタイミングで案件の紹介をしてくれます。
もし今の現場よりも条件がよければそちらにシフトする、といったようなフットワークの軽い働き方を低いコストで実現することができます。
副次的なサポートが受けられる
フリーランスエージェントでは基本的なメイン業務サポート以外にも副次的な独自サービスを提供しているところもあります。
フリーランス同士の交流会
例えばギークスジョブなどではフリーランスエンジニア同士の交流会を開いています。
フリーランスとして働いていると孤独な生活になりやすいので、こういった気遣いは非常に嬉しいポイントです。
もちろん単なる気晴らしやコミュニケーションだけではなく、有益な情報交換の場所としても活用できるでしょう。
そういったコミュニティは個人でも探せば見つからないこともないのですが、立場の近いフリーランスとライトに会うことができるのはかなり貴重な場ではないかと思います。
フリーランスの生活をサポートする各種サービス
またレバテックフリーランスでは宿泊施設・スポーツ施設などの割引優待などといった正社員の福利厚生のようなサービスや、割安での税理士紹介サービスなど、特にフリーランスになりたてのエンジニアを徹底的にサポートする体制を整えています。
下手したら正社員として企業に属するより手厚いサポートを受けられる可能性すらありますね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の記事で、具体的にフリーランスエージェントを利用することでどのようなメリットがあるかを掴めることができていれば嬉しく思います。
よっぽど豊富で広範囲なスキル、人脈、交渉力を持っていない限りフリーエンジニアを目指す際にフリーランスエージェントは欠かせない存在であると考えています。
また実際にフリーランスとして活動していなくても、無料相談に言って話を聞くだけでエンジニアとしての働き方についての見識を広げることができます。
以下の記事では6件のフリーランスエージェントに実際に訪問したことのある僕が勧めるエージェントを紹介しています。
高収入と柔軟な働き方を目指すエンジニアは是非チェックしてみてください。
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【2019年版】現役フリーランスエンジニアがオススメするフリーランスエージェント4選
どうも、フリーランスエンジニアのてぃすです。 僕は正社員時代の月収は20万円を切るくらいだったのですが、独立したことで同じ労働時間で月100万円をキープできるようになりました。 現在はちょっと働く時間 ...
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