どうも、フリーランスエンジニアのてぃすです。
- トヨタ自動車が「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言
- 経団連の会長が「終身雇用を続けるのは難しい」と発言
- 富士通・日本ハム・キリンなどの大企業が45歳以上の従業員に対して早期退職者を募集
このように最近、大企業や政府が終身雇用の崩壊を認める発言が一気に出てきました。
特にトヨタ自動車の発言なんかは、昔代表が「リストラするなら経営者は腹を切れ」なんて発言をするほどに終身雇用の象徴と言える存在だったのに。
就職すれば一生面倒見てくれると思ってぶら下がっていた人たちにとっては大打撃、たまったもんではないでしょう。
今回は世の中に大きなインパクトを与えた終身雇用の崩壊がエンジニアに与える影響、そしてこれからの時代を生き抜くために必要な考え方についてお話していきます。
ITエンジニアと終身雇用
先に結論を言ってしまうと、終身雇用の崩壊は多くのエンジニアにとっては朗報となります。
というのもエンジニアという仕事は突き詰めて考えれば、自分のスキルを企業に売る仕事だからです。
会社から給料を「もらっている」という感覚の方にはしっくりこないかもしれませんが、会社を顧客にしてお金を「稼いでいる」という感覚を持っていれば納得できる理屈のはずです。
要するに企業という存在への依存度が他業種に比べて低いというのがエンジニアの特徴なんです。
そうなると例え1つの企業が一生雇い続ける約束を破棄したところで、別の企業にスキルを売りに行くことにすればいいだけですので、正直言ってダメージはほとんどありません。
これが例えば企業に依存したスキルで評価されるような業界の場合、かなり危機的状況になり、生き残るだけでも一苦労な状況になってしまうでしょう。
終身雇用と年功序列
大して知識もスキルもないサボってばかりのオッサンが長く企業にいるというだけで自分よりも高い給料をもらっている、と言う悔しい経験をしたことがある人は少なくないでしょう。
終身雇用がなくなることでそのまま年功序列も綺麗になくなるかと言うわけではありませんが、間違いなく年功序列よりも実力主義の風潮が加速するはずです。
そうなると濃い経験を積んで、企業に価値を提供できるエンジニアが若いからと言う理由で損をする機会が少なくなります。
つまり身につけたスキルに応じて評価されやすいと言う状況になる。
適切に能力が評価されれば、報酬も上がる。報酬が上がればよりスキルアップするモチベーションを得る。と言うことで好循環に入るわけですね。
そう言った能力に対する適切な評価の充実と言う観点においてもエンジニアにとっての終身雇用は邪魔者であったわけです。
終身雇用の崩壊と解雇制度
終身雇用の崩壊によって影響を受けそうな要因としてもう1つ、解雇制度の見直しです。
現在日本は正直、非常識と言えるレベルで従業員の解雇ができない法制度をとっています。
この非常に厳しい解雇制度ですが、終身雇用の崩壊に伴い緩和する可能性が高いと言われています。
アメリカのような極端に自由に解雇できるような制度にすぐ切り替わるような事態は考えにくいですが、終身雇用が維持できないと言う状況が進めば形は違えど緩和されることに違いはないでしょう。
そうなると現状よりも、能力のない人間が解雇される可能性が高まることになります。
雇用の流動性が高まることによって、年功序列の減衰と合わせてより実力にスポットを当てた風潮が高まると言うことも頭にいれておきましょう。
終身雇用の崩壊で損するエンジニア
ここまでお話した内容から終身雇用の崩壊によって楽しみな影響と、ちょっと怖い影響があるようなイメージを感じたかと思います。
その直感は正しく、全てのITエンジニアが終身雇用の崩壊によって特をすると言うわけではありません。
思考停止して企業に言われたままの仕事をやっているようなエンジニアは、例え若くて一生懸命やっていたとしても黄色信号です。
なぜかといえば一生懸命と言う指標は実力主義の風潮が強くなるにつれて価値が低くなっていくからです。
なので工夫することなく、価値を提供すると言う点にスポットを当てない限り終身雇用の崩壊によるデメリットを受け取ることになってしまうんですね。
当然企業に言われたことをやっているだけの人は更にダメージがでかい。
特に営業に振り回されて市場価値の低い仕事しかできないような客先常駐をダラダラと続けているようでは食い扶持に困ってしまう可能性すらあります。
終身雇用の崩壊で得するエンジニア
では逆に終身雇用の崩壊におけるメリットを享受できるのはどのようなエンジニアなのか。
それは初めにも言った「スキルを企業に売る」と言う感性を持ったエンジニアです。
言い換えれば自分を商品としてみなすこともできるエンジニア。
勘違いしちゃいけないのが、商品としてみなした上でそのマーケティングを自分で舵取りできると言うのが大事なわけです。
要するに市場価値を適切に見定め、自分のキャリアをコントロールできるエンジニアこそが終身雇用の崩壊と言う大波を乗りこなすことができると言うわけ。
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終身雇用の崩壊は能力のない高齢従業員に対して流れていたお金が浮くことに繋がります。
もちろん浮いたお金が全て若い世代に還元されるという訳ではないですが、このプールされるお金というのはバカにできない額です。
つまりプロダクトを作り上げるための予算が無駄なく価値を提供できる技術者に流れていくことに繋がります。
そうなると市場から求められるスキルを身につけているエンジニアは高い報酬と待遇を得ることができるようになると言うことです。
まとめ
僕は人々が価値を提供できるように工夫する世界が正解だと思っています。もちろんその分の適切な報酬をもらえることを前提としてです。
そう言う意味でも僕は今の雇用制度の変革はかなりポジティブに受け止めています。
もちろんこの流れが受け付けないと言う人がいるのも分かります。しかし嘆いていたところで止まる流れではないのは確かでしょう。
であれば今のうちから頭に汗かいて、建設的な対応策を練ることが重要です。
現在思考停止して働いているなぁと言う実感のある人はこれをキッカケに自分のキャリアについてしっかり考えてみることをオススメします。